■メガネのはじまり
13世紀末頃イタリアで出版された本に「メガネ」の記述があり、それが「メガネ」のはじまりだと伝えられています。
この時代のイタリアでのガラス製造技術の発達と大きな関わりがあると思われます。
日本には1550年に周防の領主・大内義隆にメガネを献上するために、
宣教師のフランシスコ・ザビエルが持ち込んだのが最初とされています。
■メガネの変遷
メガネは当初、僧侶や王侯貴族などの特権階級の持ち物で、装飾品としても珍重されました。
15世紀末にグーテンベルクの印刷機の発明により聖書が大量に広まるようになると徐々に一般の人々にも普及していったそうです。
チロル地方(ドイツ南部・オーストリア・イタリア北部)で600年ほど前から続いている風習で、眼の疾病患者が協会に奉納すれば治癒するとい信じられている。日本で言うところの「絵馬」のようなもの。
こめかみを圧迫して掛ける仕様で、
つるの部分でこめかみを圧迫することで頭痛を抑える働きがあったとか(定かではありませんが)。
つるがなくても掛けられるように鼻の付け根をバネで挟むタイプのメガネ。当時、若い女性に愛好されたおしゃれなメガネですが、日本人は鼻の付け根が低いためあまり流通しなかったそうです。
時代によってメガネの形状や使われる素材は実に様々です。
単眼・双眼・鼻掛式・つる掛け式と、デザインも加工技術も発達を遂げ、現在の形になったのは19世紀末のことです。
メガネの変遷史は、そのまま文学や芸術・科学など文化の発達にも大きな役割を果たしてきたと言えます。
■近現代のメガネ
日本で一般的にメガネが流通しだすのは昭和30年から40年頃。
単に視力矯正の道具としてだけでなく、顔につけるアクセサリーとしての要素も含んだ
様々なデザインのおしゃれなフレームが登場します。
※写真は、弊社のコレクションから掲載しています。阪急三番街店で開催の「メガネの100年史」には展示されません。
メガネの歴史的な流れを見つめることで、その時代の背景や風俗もうかがい知ることができます。